アトピー辞典<栄養士の食事療法>
医療や健康情報を効果的に取り入れるために、一番大切なことは「ジブンに合った選び方」を心得ていること。
“アトピーに〇〇が効く”という情報を、イヤになるほど探し回ってきたのに、今なおアトピーの根治に確信が持てない方のために、医療や健康情報が“自分に合っていのかどうか”を見定めるポイントをまとめました。
栄養学はドイツで研鑽された学問。
それぞれの食材が持つ栄養を足し引きして、人間(ドイツ人)がドイツにおいて健康に生きるために必要な栄養やカロリーを計算する。
栄養価を数値化することで、専門家でなくても理解しやすい。
緯度で言えば北海道より寒い地域のドイツにおける栄養学なので、それ以外の国・地域の人には当てはまらない。
ドイツ人、もしくはドイツ人の遺伝子を持つ方、生後~6歳程度までドイツで暮らしていた方は比較的合いやすい。
ドイツの風土気候とは異なる地域に住んでいる人。
日本人の場合もドイツから比べれば温帯になるため、カロリー、タンパク質などはことごとく摂りすぎになる。
栄養バランスのとれた食事でなぜあなたのアトピーが治らないかというと、まずは「日本人の体質に合っていないから」というのが主な理由。
日本は明治時代に蘭学(西洋医学)などと共にドイツ式の栄養学を取り入れ、現代もほとんど当時のままの教科書が使用されている。
栄養学は理解しやすい反面、風土気候や民族の差、無農薬栽培や慣行栽培(化学肥料や農薬を使った農業)の差、水質や放射能の汚染問題、家畜などの化学飼料、遺伝子組み換え飼料の有無などを計算に入れないため、栄養価だけに着目していると、体調を崩すデメリットのほうが大きくなる場合も多々ある。
例えば「摂れたて新鮮の無農薬の野菜」が原発から漏れ出た放射能に汚染されていたとしても、栄養学的には「(基準値以下であれば)健康に良い、ビタミンたっぷりの野菜」になってしまう。(被曝は基準値以下なら安全なのではなく、本来なら1ミリでもしないほうが安全なのは言うまでもない)
そもそも北海道より緯度が高い国では、寒さから身を守るために脂肪も栄養も必要であり、また北国では葉物野菜がほとんど育たないため、根菜やハーブ、ベリー類、アルコールなどで肉や魚を消化しやすくする工夫をする必要があった。
日本で過ごしていると、冬場は平熱と気温の差を補うために滋養を付ける必要があるが、逆に体温を維持する必要がない夏では、食欲が低下するのが当たり前。
ドイツ人のための栄養学を日本人がうわべだけ真似たところで、自然の流れからすれば異質なこととなる。
自然に沿わないことの蓄積が病の元ということを知っていれば、日本人にもともと栄養学が合わないのは自明の理と言える。
アトピーの症状の殆どは、身体で処理しきれない老廃物、汚染物質、異物、水分の排毒反応なので、「摂りすぎ」て起こった病を、栄養素を「摂って」治そうとするのは本末転倒である。
<ジブンに合った選び方>